2013年3月29日金曜日

両刃の剣・国家賠償法


公務員を訴えたい場合、個人を訴える事はできません。
特に、職務中(公務遂行中)の不祥事は、
公務員個人ではなく、行政が相手となります。

こういうケースでは、教育公務員の件ですので、相手は「教育委員会」です。
勝訴の後は、行政から、損害賠償が支払われる事になります。

ほとんどの場合、公務員自己負担ではないのです。
公務員は、「国家賠償法」で守られている。

国家賠償法
第一条  国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。
○2  前項の場合において、公務員に故意又は重大な過失があつたときは、国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を有する。

この○2の免責事項を以って、
本件には、国家賠償法は適用されないもしれませんが。

基本、公務員の不祥事の尻拭いは国民負担であるという事。
私達の税金から支払われるのです。
しかし、「住民監査請求」という制度があります。

住民監査請求
>住民が、自らの居住する地方公共団体の違法若しくは不当な財務会計上の行為があると認められる場合、その地方公共団体の監査委員に対し監査を求め、その行為に対し必要な措置を講ずべきことを請求することができる制度である。

行政の会計に、不正・不当と思われる支出があると、
市民は、行政に対し、監査の請求ができるのです。

請求の申し立ては、一般市民でも弁護士なしで、普通にできます。
請求書が受理されると、次は、会計監査委員が、「何故、当該の支出が発生したか」
という事を、調べます。

例えば出てくるのが、「生徒の人権侵害」「暴行の隠蔽」「体罰の容認」「守秘義務違反」「業務妨害」「監督責任義務違反」「虚偽報告」など、これだけ「職務専任義務違反」があるとすると、「国家賠償法は適用しない」という事になるのではないでしょうか。

そうなると、行政は、「求償権」を行使します。
支払った損害賠償費用・弁護士費用・裁判費用、
それを全て当該公務員に請求します。

それだけでは、終わらないのが「求償権」の恐ろしさ。
どこまで遡るかはわかりませんが、
給与・賞与の返還請求もできます。

定年退職していても、辞職していても、消滅時効は適用されず、
現職公務員と同じ扱いになります。
退職金も、「求償権」の行使対象。

この8月に、池田町で、小学生の女子更衣室に隠しカメラを仕掛けると言う
猥褻事件が起きました。

池田町立小教諭盗撮:容疑の教諭逮捕 プール更衣室、女児の着替え狙う /長野

8月に事件。
9月に辞職、退職金支払。
10月に、県から求償権を行使され、退職金全額返納。

公務員には、各種保険がありますが、
たいていの保険の約款には、「求償権を行使されたものは免責」とあります。
車の保険でも、毎月高額の保険料の支払いをしていても、
「飲酒」などでは、一切支払われません。
それと同じ。

この件、何人かの教員に聞いてみましたが、
この制度や流れを知っている人がいなかった事に少し驚きました。

真面目に働いている公務員は、知る必要すらない制度かもしれませんが、
出鱈目教員ほど、
自分が訴えられたらどうなるのかを知っておくべきだと思います。

それとも、「訴えられる」という概念もなく、
やりたい放題しているのでしょうか。



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